サヌカイトの原石

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 石の話題を続けます。

 これはサヌカイト(讃岐石)と呼ばれている石です。この石はかなり風化していますので,灰色に見えますが,本来は黒色緻密な石です。金槌でたたけば金属音を発します。

 それゆえ,原始・古代社会では石器を作る石として遍く知られていました。しかし,採れる地域は限られており,香川県や,大阪府奈良県の県境の二上山が主要産地です。

 ところが,問題はこの原石は和歌山県の南部川下流域の川原で採集されたということです。

 本来,あるはずのない地域で採集されたというところに問題があるわけです。

 可能性として考えられるのは,誰かが産地からここまで意図的に運んで来た,ということと,ひょっとすると,南部川上流域にサヌカイトの産地があり,そこから流されてきたのではないか,ということです。

 化学検査をすればすぐわかると思いますので,いつか化学検査して,その真偽を確かめてみたいのですが,もし後者であれば,これは考古学上の発見としてすごいニュースになることでしょう。