最近,ご恵贈いただいたご高論について

 最近,様々な方から論文の抜き刷りをご恵贈いただくことが多くなってきました。
 
 何せちょっとでも興味を引かれると,すぐに色々な分野に顔を突っ込み教えていただこうとするものですから,考古学・歴史学民俗学・国文学・地理学・文化財学など様々な研究会で面識をえた様々な分野の方から論文を送っていただきます。

 本当にありがたいことだと思います。しかし,送っていただいたものを読み通すのが大変です。特に,専門の知識がない分野では,常識とされている素地がないものですから,常に理解するのに四苦八苦といった有様です。
 つい最近まで専門論文を読み続けていた日本古代史や考古学の著作への書評の約束すら,その学問の進歩になかなかついていけず,とうとう反故にしてしまう有様。情けない限りです。
 でもせっかくご恵贈いただいたご労作が多いものですから,ゆっくりとではありますが,読み続けていきたいと思っています。最近ご恵贈いただいたものは,以下のご高論です。

①,牛山佳幸氏「田村麻呂伝説と清水信仰-とくに信濃における成立時期とその背景-」(速水侑編『日本社会における仏と神』,吉川弘文堂,2006),「モンゴル襲来前後の時期に於ける地域社会と仏教-善光寺信仰及び信濃国関係の事例を中心として-」(『仏教史学研究』49-1,2006),「近世における善光寺史関係の著作について」(『市誌研究ながの』13号,2006)。

②,大江篤氏「稚児の祭礼-ヒトツモノをめぐって-」(「平成17年度ふるさと文化再興事業伝統文化総合支援研究委嘱事業実施報告書」,兵庫県教育委員会,2006),「三岳祭りと蔵王権現」(薗田学園女子大学歴史民俗学会編『丹波ののぼり祭り 三岳山をめぐる歴史と民俗』,岩田書院,2006)

③,小田匡保氏「『山家集』に見る山岳聖域大峰の構造」(『史林』70-3,1987)。

④,久下隆史氏「中世後期の丹波の熊野修験について」(『民俗の歴史的世界』,岩田書店,1994)。

⑤,高木徳郎氏「紀ノ川流域荘園における混作と出作」(『和歌山県立博物館研究紀要』12号,2006),「大伝法院領の成立と展開」(『根来寺文化研究所紀要』3号,2006)。

⑥,田中久夫氏「平清盛の兵庫経の島と(岡山)藤戸の経ケ島」(『日本書紀研究』第26冊,2005)。

⑦,源健一郎氏「平家物語の『熊野別当湛増』-〈熊野新宮合戦〉考-」(武久堅監修『中世軍記の展望台』,和泉書院,2006),「千葉妙見の本体・本地説-源平闘諍記と千葉妙見社関係資料との間-」(『巡礼記研究』第3集,2006)。

⑧,山田雄司氏「院政期の伊勢神宮斎宮-怪異をめぐっての比較-」(『斎宮アカデミー会報』7号,2006),「室町時代伊勢神宮の怪異」(『神道史研究』54-1,2006)。