我が友・オオタニワタリ

 熊野地方は「オオタニワタリ」(大谷渡り)の自生地として有名です。
 
 S町にある私の家では,父親が生きていた頃に串本町大島の親戚宅(叔母の嫁ぎ先)からいただいてきたオオタニワタリを育て,一時は10を越える鉢植えのオオタニワタリの世話をしていました。
 しかし,父親が亡くなり母親が入院を繰り返すうちにかなりのオオタニワタリを枯らしてしまいました。
 
 すべてM町に住む私のせい(仕事の忙しさにかまけて水をやりに行くのを怠けたせい)なのですが,数年前から,生き残ったオオタニワタリを我が家の小さな庭で鉢植えの儘で育てるようになりました。
 M町はS町よりもやや北の方にあり,冬の寒さが厳しく谷間からの風がきついので無事に生育するかどうか心配したのですが(すでに何度か失敗しています),今回はオオタニワタリをかためて育て,雹や寒さへの対策をきちんとしたためか,いく鉢か生き還り,今では子鉢も増やしています。しかし,水のやり方が夏・冬ともに難しく目をはなせません。

 沖縄あたりでは新芽を食べるそうですが,新芽の成長を心待ちにしている私としてはとんでもないことのようにしか思えませんね。新芽こそ我が生命です。