旅と歌とぐいのみと。

 短い旅に出掛けます。旅の際にはいつも歌集か詩集,そしてぐいのみを持って行きます。今回は大好きな若山牧水の歌集を旅に持って行こうと思います。
 まあ,未だやり残した仕事がたくさんありますので,旅といってもすぐに帰ってくるのですが・・・・。

 「白鳥は哀しからずや 空の青 海のあをにも染まずただよふ」
 「幾山河越えさり行かば 寂しさのはてなむ国ぞ 今日も旅ゆく」
 「いざさらば さきへ急がむ 旅人はすそ野に秋のくさ枯れてきぬ」

 「わがうたふかなしき歌やきこえけむ ゆふべ渚に君も出で来ぬ」
 「くちづけの終わりしあとのよこ顔に うちむかふ昼の寂しかりけり」

 「白玉の歯にしみとほる秋の夜の 酒はしづかに飲むべかりけれ」

 「朝曇 やがてほのぼの明けゆくに つらなりわたる山黄葉かな」

 「ふるさとの日向の山の荒渓の 流清うして鮎多く棲みき」
 「ふるさとの尾鈴の山のかなしさよ 秋もかすみのたなびきて居り」

 「けふもまた こころの鉦をうち鳴しうち鳴しつつあくがれて行く」