アメリカ映画『アミスタッド』について

 昨日,約40分ずつ5日間(1週間に1回)にわたって生徒に見せ続けたアメリカ映画『アミスタッド』を終了しました。この映画は,昨年も別の生徒に見せました。

 映画は,19世紀中頃,大西洋上のスペイン船(アミスタッド号)において,黒人奴隷が反乱を起こし,船員たちを殺して船を乗っ取ったところから始まります。舵取りを失った船はそのまま漂流を続け,南北戦争間近かのアメリカ合衆国の領海内で,沿岸警備隊に拿捕され,黒人奴隷たちは全く言葉の通じない現地の州裁判所において殺人罪をおかした被告として裁かれることになりました。
 これに功を急ぐ若手弁護士と名優フリーマン扮する黒人資本家が支援の手を差し伸べ,スペイン大使より圧迫を受け裁判を被告たちの敗訴に持っていこうとする選挙中の大統領らの干渉を排除し,一審で何とか勝利を手にします。その勝利の決め手になったのが,言葉が通じない黒人奴隷たちと粘り強く接して来た弁護士の説得によってアフリカのある部族の戦士としての自分の過去を語り始めた主人公の黒人奴隷の証言でした。
 なんと,彼等は代々の奴隷としてカリブ海域で売り買いされていた奴隷ではなく,アフリカの奴隷海岸(現在のコートジボアール)近くで捕らえられ新たに直接連れてこられたアフリカ原住民だったのです。言葉がなかなか通じなかったはずです。
 これらが決め手となって政府や検察官側から有罪の判決を下すよう意を含められていた判事の気持ちが無罪判決へと傾いたことがわかります。それどころか,原告のスペイン奴隷業者にはすぐさま逮捕が命ぜられ,裁判は終りました。奴隷たちはやっと自由を獲得しました。
 
 しかし,物語はこれで終りませんでした。ここからは,また次回に・・・・。