陽はまた昇る

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 今日もまた南部湾上の鹿島の向うに陽が沈もうとしています。ようやく帰り着いたばかりでこの瞬間を見て写真を撮りに走りました。
 タイミングよくこの光景を写すことができました(1つ目の写真)。
 私はどうも沈む夕陽が好きなようです。

 昨日からある会議のため和歌山県の勝浦に出かけていたのですが,会議の前後に自分の趣味の研究を楽しんできました。
 といっても,田辺市本宮町の敷屋庄関係の写真を撮ることと,以前すべてを読み取ることができなかった那智勝浦町の湯川温泉の供養塔の拓本を取ること。特に新味はないのですが・・・・。

 でも,途中で上富田町の八上(やがみ)王子神社近くの普大寺(臨済宗)境内にある板碑(町指定文化財,2つ目の写真)を撮っておこうと思い立ち,立ち寄りました。
 大型の板碑は,一尊種子板碑とよばれるもので,総高約243.5cmあります。でっかい。硬砂岩製です。

   右側 「為母儀匡貞自五日」         「応永三丙子」
   中央 「奉誦妙典一千部及三十三年逆修」「十一月五日」
   左側 「善根法界普利」            「橘忠實」
                      〔『上富田町史』史料編下・文化財より〕

 この銘文から,この板碑は,応永3年(1396)11月5日,橘忠実が母親のためその生前に善根を施し仏事を修めたことを意味する石卒塔婆を建てることによって,死後の極楽往生を願った逆修塔であることがわかります。これは,当時の三十三年逆修の仏事慣習を示す,紀南地方で唯一の例だそうです。〔『上富田町史』史料編下・文化財より〕

 嬉しいことにこの板碑の近くに紅梅が咲いていました(3つ目の写真)。固い蕾もありましたが,きれいな紅梅に思わず見惚れてしまいました。今日は祖母の命日,そして血の繋がりのない我が家の先祖○○佐六さんの奥方と二人の○○円兵衛さんの命日です。いい供養になりました。

 今日もまた陽が沈みました。でも,明日も必ず陽は昇るはず。生きていればまた再び,沈む夕陽を見ることができるはず。生命が続くことを夕陽に願いつつ,「陽はまた昇る」と囁く。