急遽、和歌山県立博物館近くの松生院本堂を見学。すると・・・・。


 9月12日、紀州地域史共同研究会終了後、懇親会場へ向かう途中、急遽、和歌山県立博物館近くの「松生院」を見学することになりました。
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 この松生院は、12日に福岡大学の桃崎祐輔氏が発表した「遍歴する石工と瓦工―地蔵峰寺の伊派石地蔵と紀州の中世瓦工達―」に出てくる、大和国西大寺真言律宗)末寺で紀伊国第9位の寺格を誇った「宝光寺」の後身寺です。

 宝光寺」の本堂は、鎌倉時代後期の永仁3年(1295)に、和歌山市東南部、海南市との境目に建立された入母屋造りの建物で、解体修理後、日中戦争前後に現在地に復原・移築されました。
 その建物は、今そのまま残っていたら、当然、国指定重要文化財か国宝に指定されていたところでしょうが、残念ながら終戦間近に米軍の空襲により全焼してしまいました。

 ところが、ご住職によると「松生院」の本堂はその後、創建時とほぼ同じ、珍しく禅宗様の精神を上手く取り入れた入母屋造りの建物として復原され、現在に至っているとのこと。その本堂がこれです。
 写真ではよくわからないでしょうが、近づいてよく見ると、復原建築とは思えない迫力を感じました。
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 そして、思いがけないことに、門を入ってすぐ左手に、巨大な石造地蔵菩薩坐像が鎮座しているのが見えました。
 これは・・・・一見して、真言律宗の寺院として宝光寺を建立した心浄が鎌倉時代末期の元亨3年(1323)に「勧進聖心静」として勧進した、下津町の地蔵峰寺本尊・巨大な石造地蔵菩薩坐像(国指定重要文化財、中国人系の伊派石工の作品)とよく似ているではないか・・・・。まさか・・・・。
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 これはなんだ・・・・。
 いずれにしても、桃崎さんが熱心に写真を撮っていた理由がわかった気がした・・・・。

 最後まで残っていて良かったなあ・・・・。
 合掌。